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エンジニアが買い物をするために

2010-07-30 10:51:53 +0000

OSIの参照モデル、って知ってますか?
ハジメマシテ、低レベルエンジニアのnsatohです。

そうそう、あの「Layerほげがフガだから、」とかスーツ来たIT系がよく言うキーワードのアレです。
でも、インターネット的な、ゲームとかアプリケーションとかを提供するには、たしかにOSI参照モデルを知っていると前提しての会話が楽なので、知らなかった人は是非、知っておいてください。いわゆるバズワードです。

で、OSI参照モデルにはLayer1からLayer7が定義されていますが、まことしやかに「あれって10階層じゃね?」と、言われること幾久しくです。

Layer0の土建層、Layer8の金銭層、Layer9の政治層とかとか、バグフィックスがハゲシクメンドくちゃいけれど、あきらめましょう的なものがあります。あとはLayer10に宗教層、いわゆるエンジェリック・レイヤーを入れる向きもありますが、ともかく、OSI参照モデル本来の7層以外は、意思とか趣向が大きく影響します。

で、その辺をふまえて、僕は一応、「低レイヤーの技術者です。」と名乗ります。

どの辺が僕の守備範囲かといえば、Layer0からLayer4辺りです。
でも、ウノウはAS持ってるわけでもないですし、特別なネットワークを構成しているわけでもないので、なんていうか、社内では一匹狼(と書いて、Bocchi と読む)です。
でも、低レイヤーのシゴトばかりしていると、どうしても、Layer4、5、6、7、8と手を出さないと立ち行かなくなるので、手を出します。
そうこうしているうちに、気がついたらなんとなく購買的な立ち位置のような雰囲気が出てきたりするのも良くある事。
「エンジニアの肩書きなのに彼って打合せかメールばかりだよねー」
「メールと打合せでシゴトしたふりしてていいのは小学生までだよねー、キャハハ」
と、すっかり社内的にも昼行灯と思われがちな僕の保身のためにも、サーバとかデータセンタとか、そういうのを買うときのあれこれなんかを、まぁ夏の小話程度でいいので聞いてくれると助かります。

購買、っていう作業
わりと定型。で、わりと不定形。
フツーの会社だったら当然やってるんじゃね?と思う感じの手順を並べます。

1、雰囲気作り
2、見積もり
3、お伺いをたてる
4、買う!
5、届く。
6、事後処理


まぁ、当たり前の手順ですよね。

1、雰囲気作り
いきなり「俺はサーバ500台、買う!」って言っても、"まぁもちつけ。"と言われて終わりです。あなたの中にある、"それを買うべき理由"を会社に伝染させましょう。
A4ペラ1枚でいいですから、
・目的はなにか。あなたはなにがしたいのか。
・目的のために、どんなものが必要なのか。
・あなたが欲しいものは、それをみたすのに最適なものなのか。
・あなたがが欲しいそれ以外で、目的を達成する方法を無理矢理考える。
の4つを書きましょう。
いやぁ、これを書くと、実は「他のモノの買った方がいいんじゃね?」となるんだわ、大抵の場合。

 ん?めんどくさい? だよねー、書面書くとか、めんどくさいよねー。

けれど、あなたが今、買おうとしているモノの代金は、あなたが給料をもらう会社の、同じおサイフから出てるんですよ?隣にいる同僚の、その家族をたち養うためにも使われる同じおサイフのお金なんですよ?それをめんどくさいなんて!まったくあなたはひどい人ですね、マジでソンK〜。
とか、そういうことですのよね、つまるところ。
ですので、あなたがほしいそれを買うことが、「みんなの幸せに繋がるんだ!」と、そういう雰囲気を作る事はとても重要なオシゴトです。


2、見積もり
ここで購入金額が決まります。なのでガンバろう!
ここでいくつかTIPSがあって、

・営業さんと仲良くやろう
・見積もりは3カ所からとうろう
・決定権はあなたにはない!と自覚しよう。
・見えない金額に気をつけろ!


この4つは、きっと重要。じゃないかなー、とか思ったり。


おやくそく1:営業さんと仲良くやろう!
僕もそうですが、技術者は友達が少ない(偏見ですネ)ので、他人と関わるよりちゃっちゃとWebで値段だけ、見積もったりします。
で、絶対時間的にはそっちが早く見積もれたりする、とか思ってますよね。

いや、それはシゴトできない人のダメな考えです。

僕ならざっくりとした要件だけ伝えて、最後に「で、納期と金額を見積もっていただけますか。」と。

だいたい、要件すら他人に伝えられないって、自分が欲しいものが自分でもわかってないってことだよねぇ?そんなんで買い物しちゃ、あかん!それはお金を捨ててるのと一緒だと、自覚するべきだよ。

で、営業の人ががんばって見積ってくれてる間、僕は別な仕事してます。
そもそも、それぞれのメーカ別の商品の詳細仕様とか、あなたには不要です、まったく不要です。そんな細かい話は忘れて、あなたはもっと応用の効く知識を、そうですね、ARPとL2スイッチの学習とか、ルーティングとMATとロードバランサでのパケット加工とか、分散KVSとコンシステントハッシュ、あるいは購買が好きなら各メーカの製品ラインアップがどんな方針で区分けされてるのか、とかそんなことを知っているほうが重要です。
なので、細かい構成とか金額算出とか営業さんに任せて、見積書が出来るまで別なことをするのが出来るSE!ってヤツです。

おやくそく2:見積もりは3カ所からとろう!
複数から見積もりをとると安くなる、というよりは、ボられずに済む、という感じです。
全く同じものがターゲットだったとしても、メーカ直販以外の、日商とか丸紅とか立花エレとかダイワボウとかetc、と、なんでも扱える商社を通して見積もってみましょう。
で、どこから見積もっても同じような値段だったら、それはその価格が適正なんです。

複数から見積もりをお願いするときの商品名指定は善し悪しです。品名指定したら値引き合戦しか出来ませんから、僕は「こんな感じで、こんな仕様の...」と要件を伝えるようにしています。
だいたい商品知識は営業さんに負けるのが基本ですから、彼らの知識を借りましょう。シゴトなんて他人の力を借りなきゃなんもできんのです、特にIT系。
要件で指定して見積もると、ともすれば品名指定では検討すら出来なかった上位バージョンが、うっかり予算内で手にはいったりします。
まれに、ですがキャンセル品とか、決算月とか、事業部のノルマ、とかでうっかり(以下自粛
なんていうか、ぶっちゃけ、日 本 の 商 社 最 強 !
メーカと商社は持ちつ持たれつなので、(以下自粛
信頼関係が良好ならば、納期とか金額とか取引条件とか、いろいろと融通が聞くのが営業経由での購入のいいところです。具体例は言えませんけど、強烈な提案とかまぁ、ありますよ。

たぶん、なじみの営業さんとかできると、それは転職してもお付き合いできるあなたの資産の一つになっているはずです。
たぶんここを見ているエンジニアって、どこにいったって結局サーバとかデータセンタとか使うんだよねぇ?

おやくそく3:決定権はあなたにはない!と自覚しよう。
あと購入の決定権はいつだって上司のもので、自分は上司に「これかったらいいと思います。」と畏込み申し奉るだけの民草にすぎない、と自覚すべきです。
押しの強い営業トークとかは「いやぁ、でも僕は上申するだけですから...」で逃げたりしましょう。これは緩い「お断り」の意味です。それでも食い下がってきたときはそこから買わない方がいいです、経験上。
あとは「いついつまでなら安いんです!」も悩み深いところ。ほんとに善意でそういってくれる営業さんもいるのですが、単に早く決めてほしいから、ってだけの人もいて、ここは空気を読む能力を磨いてください。ちなみに僕は期限切ってきたらほぼ買わない(笑

また、リースやレンタルっていうファイナンスの仕組みについても、最低限の知識はもっていたほうがいいです。いや僕も全然しらないんで、自戒の意味で書いてますが。
金額が100万超えそうなときは購入が現金かリースか別な方法か、上司に相談してみましょう。
このとき一緒にリースならリース条件なんかも確認出来るならしておきましょう。おつきあいのあるリース会社があればそこに、そうでないなら営業さんに相談してみてください。ファイナンス会社を紹介してくれます。
見積もり金額は普通はリースも現金も変わる事はありませんが、リース会社の利益がそこにのりますので、あなたの会社の総支払い額はけっこう上がります。

おやくそく4:見えない金額に気をつけろ!
また書面には明記されてない金額、というのにも気を配った方がいいです。
消費税はもちろんですが、送料も馬鹿になりません。リースやレンタルの購入であればその利率も気にしてください。
同じ値段のサーバでも片方はセットアップ済み、もう片方はOS未導入、とかなると、OS導入の人件費であっという間にトータルの費用に差が出ます。
あなたはあなたが思う以上に、高い費用が発生しているのです!
ふつー、1人の人間をどっかの会社で使うとしたら、100万/月ってのはぶっちゃけ劇安です。100万の中からオフィス代、電気代、交通費、パソコン代、etcって考えたら給料に出せるのがいくらか、精々30万でしょう。人間が一番高い!ってのは概ね、正しいのです。

あー、あれだ、ケータイ買うときの充電器が!登録料が!っていうアレ、アレの感覚で居ればいいんじゃね? なんていうか想定外の出費って意味で。

で、見積もりが来たら内容をちゃんと確認しましょう。
僕も以前、全部で3千万のシステムを購入するのに、400万のロードバランサーが2セット入っていて、購入してから途方に暮れたことがあります。このときもそうですが、2台でActive/Standbyクラスタをくむとき、2台と2セットで間違うとか、良くあるんです。
まー、別件に使って元はとったけどネ!!

3、お伺いをたてる
さて見積もりも2つか3つ、手元に出来た!さぁ一番安いのを買うぞ!ってそれはちょっとマテ。
ほんとにそれは安いの?ってのは重要な事です。
書面にない金額の発生は、どうせあるので、総額を概算するのはあなたの仕事です。1割程度は高くなると思っておく方がいいよ。
納期は大丈夫ですか?
1年後にチロルチョコ100個届けてやるから、今日500円振り込めよ!って詐欺だよねぇ?
海外からの輸入品は船便なら納品が二ヶ月三ヶ月は当たり前です。
この辺の国内在庫を見極めたりも、営業さんときちんと関係が出来てれば見積もりの時点で解決出来ている問題になってたりするのです。こんなのまでいちいち自分で市場在庫(ってか扱ってる通販サイトで在庫ありを探す)を探すとか、時間の無駄だし、蛇の道は蛇なのですよ、こういうのは。
納期も鑑み、値段も鑑み、性能もOKだとなったら、会社に「これ、こうてくれやぁー!」と稟議を申請します。きっとあなたは一番安い見積もりではない別な見積もり書で「こっちをこうてくれやー!」と言っている事でしょう。

4、買う!
実際に買う! って実はあんまり楽しくないです。
見積もり書を会社に示したあと、そっからさきはただただ面倒な書類の作成が続くのです。
売買契約書はもちろんですが、銀行振込のための書類やら、注文書やら、リースとかを使うとなればリース申し込み書もそうですし、購入する機械によってはNDAも必要になったりします。これらの書類に会社のハンコをもらわないとイケマセン。
いやぁハンコ無しでも発効しちゃったりするんですが、けど、ハンコもらっとけば「たしかに会社の判断じゃんか!」と勝手にあなたが行った事じゃないですよ、と体面がたちます。
だいたい、現金で買う訳はないですし、ただ数字だけが口座間を移動する、それだけのための書類なのです。

なんかこー、買う段になってくると、もうね、なんていうか、飽きちゃってる感じ。
何が出来るもので値段いくらでオプションがこうで、とかとか詳細に知りすぎてて、内心、次のシゴトに浮気し始める頃。

購入手続きで最悪なのは携帯電話。
同一機種のまとめ買いならともかく、検証用にばらばらに買うと申し込み書を書くのに1日仕事。
「手が、手がー!」あるいは「ふはは、書き損じがゴミのようだ!」(いや、ゴミですが、実際)となります。
犯罪に悪用されるのを防ぐためとはいえ、いろいろと面倒です。

あと、忘れちゃ行けないのはファイナンス。
これの事務手続は社の信用によってはいろいろとあると思います。

5、届く
モノが届きます。届きますが正直、めんどくさいです。
段ボールの処分だってタダじゃないんです、企業が出すゴミは産業廃棄物です。ふつーの清掃工場じゃ引き取ってくれません。お金払って処理してもらうんですよ?
まぁ値段交渉中に「段ボールの処分はお願いしますねー」とか、僕は言っちゃいますが諸刃の剣、素人にはおすすめできない。それは今までの取引の経緯があればこそ。ふつーは「産廃業者のお見積りもできますよ」と返されます。
100余台、30kgの物体を開梱して、内容確認して、まぁ2日くらいかかりますね!

ぶっちゃけ、購買ずっとやってると、見積もり完了したあたりで大満足。届く頃には購入対象物にもう飽きがきちゃってるとかが基本。なんていうか、感動とか、無い。この仕事で一番困るのは、「モノを買っても感動しなくなる。」

あと、同じものを個人で買うと割高なことを知ってしまう事、とかかな...
携帯電話とかもうね、ずっとP504だったもの...。

で、ここ3ヶ月で携帯電話を40回線買った僕が今使ってるのはxperia。だって、ほら、ねぇ?(笑

6、事後処理
この事後処理はわりと忘れてしまいがちです。
検品書、ってやつがくるので検品が済んでいるなら、会社ハンコを押して返送してあげましょう。
納品書、領収書は経理か総務か、それっぽい部署の人に渡しましょう。
領収書や納品書はふつうの会社組織ならとても重要な書類のはずです。
でも、納品された現物にどうしても気が取られますので、うっかり捨ててしまったり、しがちです。でも再発行してもらえない書類です。
段ボールについてる納品書とか、開梱作業をヘルプしてくれた人にちゃーんと説明しておかないと、まぁ、ほぼ捨てられるね!

事後処理で事務処理が続くと、ほんと経理とか総務とか「スゲー!」って感動する。だって彼ら、日々この事務処理やってるんだよ?同じ事、出来る??とか思うと、なんていうか、バックオフィス様に足を向けては寝れないよね。

と、当たり前の話を書いてみました。
でも、きっと、事務方のみなさんからすれば邪道な買い物だ!とか言われそうで怖いですが、まぁ、そんな感じで。

最後に
「 〜前略〜はみんなイチコロさ。ハッタリかまして、ブラジャーからミサイルまで、何でもそろえてみせるぜ。」